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中野通信

ささいなことに幸せを。

5年間、薬を飲み続けて

今日は、月に一回の花巻病院での診察だった。2011年、24歳ぐらいの時に統合失調症になって、かれこれ5年間お世話になっている病院だ。母が車を運転して、僕が助手席に座って病院まで行く。30分ほどの道のりを音楽を聴きながら、車窓からの風景を眺め、向かう。

 

かれこれ5年の付き合いとなったこの病気。実は、病気発症当初は、天国に行った気分だった。人生で味わったことのない幸福感を感じて、目に見えるものが輝いて見えた。泣けた。すべての物事にメッセージがあるように感じて、目に映るものを全て注意深く観察して、動かして、触って、その数日間が過ぎた。

 

幸福感の後は、感覚が鋭くなった。霊能力が身についたと思えたぐらい、他人の言動や行動にざわざわした。他人に恐怖感を覚えて、職場を脱走した時もあった。東京の街を歩いていたんだけど、導かれるように数時間彷徨ったりもした。

 

そんな何日間を過ごして、運よく連絡を取った家族が僕の異変に気づいた。すぐに岩手から親が東京に駆けつけて、僕の身柄を確保した。確保するまでもひと悶着あったけど。

 

そして、東京から岩手へすぐ帰って次の日、連れられてった場所が、精神病院の花巻病院だった。

 

ジェットコースターのように過ぎた時間に、パニックになっていた僕は、診察でもパニックになっていた。そしたら、入院が決まった。2か月間、入院だった。

 

それから、5年経った。薬を飲んだ僕は、落ち着いた。落ち着きすぎて静かになった。感情表現が苦手になった。これが、薬の安定させる効果なのか、僕が単純に挫折を味わったからなのか、謎なんだけど、全てがやる気がなくなって、働かない生活も送った。働いても辞めたりを繰り返した。

 

両親との関係もあんまりよくなかった。ふてくされていた。薬も病人みたいで嫌だと、ゴミ箱に捨てていたこともあった。毎日酒を飲んだ。あんまり飲めないけど。そんな生活を続けていたら体重がみるみる太った。

 

と、まぁ、そんな時期があった。そして色々あって、2011年から、5年経って、現在2016年9月。

 

働いているし、薬もちゃんと飲んでるし、ふてくされていないし、酒も全く飲んでいないし、ダイエットも始めた。子どもたちと過ごすようになって、忘れていた感情も思い出しつつある。無茶なことができなくなった変わりに、冷静さを少し手に入れたように思う。明日から、東京へ行く。いろいろあるだろうけど、無理しないで、旅を満喫したい。おわり。