あなたはあなたのままでいい。
例えば、自立ができていない者（私）に対しての大方の人の視線や言葉は「このままではいけない、変わらなくてはいけない」という圧だった。確かに、このままでいけないのもわかっているし、変わらなければいけないのもわかっている。しかし、変われなかったのだ。成長できなかったのだ。「このままではいけない、自分を変えろ」などの圧を受け、勉強するものの変わらない。私は苦しんだ。苦しみの海で窒息しそうになった。しかし、まれに同じ境遇の者と関わるときは、その重圧から逃れられた。「働け！」「労働時間を増やせ！」などとも言われず、なんでもない話ができた。岩手県北上市で誰でも来ていい居場所「ワラタネスクエア」を主催する後藤誠子さんの言葉に「あなたはあなたのままでいい」という言葉がある。これに大袈裟でもなく、誇張でもなく、救われたのだ。そのままでいい。このままではいけないという視線の溢れかえる世の中で「あなたはあなたのままでいい」という視線をもらうことで、確実に救われたのだ。たぶん10人中9人から「このままではいけない」と言われても、10人中1人が「そのままでいい」と言ってくれたら生きていける。もちろん、もっと増えれば、もっともっと生きていける。「あなたはあなたのままでいい」という空間で過ごせば過ごすほど、元気を取り戻す。希望を思い出す。笑顔を思い出す。変わらなければいけないのもわかっていた。変わりたかった。でもなぜか変われなかった。そんな男が岩手県に生息していることを笑ってほしい。苦笑いでなく、笑ってほしい。
そんなことを思うのでした。
